ベトナム在住中、風俗トラブルで一番怖かった体験

見つめるアジア女性

今回お届けするのは、筆者が実際に体験したお話。筆者がベトナムに移住したての頃の体験で、その時はまだベトナムという東南アジアの異国の刺激を楽しんでいるときでした。そのときに受けた洗礼はいまだトラウマ。ベトナムの風俗で遊ぶことがいかにリスクがあるかを身をもって思い知らされました。

当サイト「ホーチミン夜旅」で紹介している風俗と呼べる店は、レタントン通り界隈にあるカラオケとガールズバーのみ。それは、これらのお店がまだ健全で安全だからです。今回の筆者の体験を読めば、きっと安心、安全のカラオケやガールズバーに足を運びたくなるかと思います。

舞台はホテルの一室。風俗嬢を呼んだことから始まった悲劇

日本のデリヘルのようなシステムは、ここベトナムにもあります。ベトナムもデリヘルサイトがあり、そこから問い合わせることもできますが、ベトナム語ができない外国人の多くは、その手の仲介をしているホテルやバーなどに直接訪れて、女性を部屋に呼んでもらいます。

筆者が訪れたのは、一階はバーのようなお店で、二階が家主の部屋、三階と四階が貸し部屋となっている縦長の一般住居。一階のバーはおそらく見せかけだけで、酒を売る気は特にないよう。カウンター席が3つあり、その背後には一つのソファ席があるくらい。

筆者が女性を依頼すると、「少し待て」と家主が電話でなにやら相手と話し、その間筆者はそわそわと落ち着きなくカウンター席に座って待っていました。5分ほど経つと、バイクに乗った二人の女性がやってきて、家主が「どちらか選んでくれ」とギラギラした目で言ってきました。一人はポニーテールの髪を金髪にしたふくよかな胸を持ち、もう一人はベトナム人らしい小麦色に焼けた肌で長身、髪は長くクラブにいそうな美女。どちらも申し分ないほど美しく、後にも先にもこの二人以上の容姿を持ったベトナム人は見たことがありません。

料金は90万ドン。40万ドンが家主、50万ドンがコールガールにいく仕組みらしい(筆者がその場で支払うと、すぐに家主がコールガールに50万ドンを渡していた)。

そして、長髪の子をチョイスした筆者は、その子に連れられて3階の部屋に。二階に上がると、7歳くらいの年端の行かない女の子が筆者と彼女を交互に見やっては部屋の中に入っていきました……。アジアン風俗ではよくある光景。言い知れぬ背徳感がおそいます。

まかさの公安の摘発

部屋に入り、まずは交互にシャワーを浴びます。もちろん財布は持って浴びました。彼女に怪訝な目で一度睨まれましたが、すぐに視線の対象はスマホに。シャワーを浴びたあとに早速本番開始。モデルでも通用するスレンダーな身体は艶めかしく妖艶。しかし、ベトナムの風俗にありがちですが、前戯は一切なしでキスは追加20万ドンとのこと。開始して十分も発たないで筆者は果ててしまいました。

お互い服を着替えて、彼女にタクシー代として10万ドンを請求されてあたふたしていると、ドア傍からカランカランと吊るされたコップの中の鈴が鳴る音が……。

すると、突然彼女がなにやら叫びだし、部屋を出て上の屋上へとひとり上がっていきました。あっけにとられた筆者は、状況が理解できずにとりあえず階段を下りて一階へ。すると、カウンター席の傍には家主と三人の公安(警察)がいました。(やばい!)と思ったときには遅く、階段に立ち止まっている筆者を公安の一人が目視するやいなや、すぐさま筆者のところに駆け寄ってきました。

捕まるかと思いきや、その公安は筆者の脇を通り過ぎて上へと上がっていき、筆者と彼女がついさっきまでいた部屋へと突入。大声で叫んで下の二人になにか伝えると、さらに屋上へと上がっていきました。この界隈は住宅街で、ベトナムではありがちですが家々はくっついているので、屋上から隣の家に移ることも十分可能です。おそらく風俗嬢は屋上からうまく逃げたのでしょう。そして、この時点であのカランカランという音は公安が来た合図だということを知りました。

これは覚えておくべき対処法

二人の公安は筆者に手招きをして、筆者がベトナム語が喋れないと分かると、もう一人の公安と会話をして、一人は外に出ました。(きっと僕が逃げないように見張っているんだ……)と思いました。この時点で筆者の胸は熱くなり、動機がして立っていられないほど胃が痛くなる始末。やばい、どうしよう、なんでこんなことになっちゃったんだ……そんな後悔がこみあげてきて、刑務所行きか? それとも強制送還か? などと混乱した思考が頭を巡っていました。

すると、家主が筆者の肩を叩いて、親指と人差し指をこすり合わせる真似をしました。「お前いくら持っているんだ」と言わんばかりの様子で、筆者はとっさに ポケットにあった現金をありったけ出しました。現金は日本円で約1万5000円ほどでした。すると、目の前に立つ公安は後を振り向き、次に頭上を仰いでから、手に持っているノートを筆者に手渡しました。この時点で筆者はなんのことか理解しました。これは賄賂。筆者はノートを受け取り、真ん中を開いて現金を挟んで閉じて、公安に返しました。すると、「マイフレンド」といって公安は口端を持ち上げてニッと笑みをつくり、帰って行ったのです。

失うものが多い人ほどリスクが高い

筆者はこのとき仕事はしていなく独り身だったので、仮に公安に逮捕されても人知れず強制送還、はたまた罰金になっておしまいですが、ベトナムに仕事で来ている駐在員、出張者、家庭持ちの人はそうはいきません。

会社勤めであれば、当然欠勤が続きますので会社に事情を説明しなければなりませんし、強制送還を食らったら退職しなければならなくなるでしょう。家庭持ちの人も奥さんに知られて大変ですね。失うものが多ければ多いほど、ベトナムの風俗は避けておいた方がいいでしょう。

結局カラオケとガールズバーに戻る

カラオケやガールズバーは安心と安全がモットー。公安ともつながりがあるので、突然摘発に踏み込まれる心配もまずありません。最初はカラオケやガールズバーに通っていたけれど、ベトナム風俗の刺激が欲しくてあらぬ方向に足を踏み入れてしまった方も、こんな洗礼を受けると(やっぱりカラオケとガールズバーが安心だ)と思うようになります。

すでにこのトラブルから5年以上の年月が経っていますが、いまでもカラオケやガールズバーに入った瞬間に胸を撫でおろしています。