一発で刑務所送り!ベトナム風俗店スタッフが語る、摘発されたときとその後。

摘発されたベトナム人

今回お届けする情報は「実際摘発にあった風俗店やスタッフはどうなるの?」といった疑問。ホーチミンの日本人町にあるようなカラオケ店やガールズバーはカラオケ機器の没収は年に一度あったとしても、基本は毎月の賄賂や罰金で済みます。しかし、賄賂を払っていないもぐりのお店は、公安の気分次第でいつなんとき摘発に合うか分かりません。もちろんその場に日本人が居合わせたらどうなるか……考えるだけでもぞっとします。

ここで紹介するのは、お客ではなくお店側の方。筆者の知り合いのベトナム人に直接聞いた実話です。

公安は覆面だった

筆者の友人のベトナム人「ボウ君」(22歳・男)は、個人経営のミニホテルのスタッフとして働いていました。
ある日、ボウ君が同僚の先輩タオさんと並んでレセプション業務をこなしていると、二人組の中年男性客がやってきて、「ここで女が買えると聞いたんだけど、すぐ呼べる?」と訊いてきました。この手の客は実は少なくなく、オーナーからは知り合い以外は紹介したら駄目と言われていました。

しかし、先輩のタオさんは客からチップを受け取り、ロビーで待つように客に言いました。
それからタオさんはボウ君に少しばかりの口止め料を渡して、風俗嬢を呼びました。そこで、その男性客が正体を現しました。彼らは公安警察だったのです。

賄賂で見逃してくれるのかと思いきや……

ボウ君とタオさんはそのまま問答無用で売春婦と一緒に警察に連れていかれました。この場で賄賂を払うことはできなかったといいます(タイミング的に)。
その後は判決が下るまで留置所で過ごすことになります。

ボウ君は先輩のタオさんから口止め料を貰ったこと、主犯タオさんであることなどを包み隠さず供述し、なんとか罪を軽くしてもらおうとしました。
一方、ボウ君の両親も親戚中にお金を借りて回って、警察と裁判官に支払う妥当と思われる金額20万円程度を工面しました。

しかし、賄賂は拒否されたのです。
この手の場合、まずはおとなしく捕まって警察やら裁判所やらで釈放の権限を持つ人と接触できるまで待つのが常套手段。しかし、どうやらボウ君が捕まったホーチミンのタンビン区は賄賂に厳しい区であることがあとから分かりました。

まさかの執行猶予なしの懲役刑!

裁判所から判決が下るまではずっと拘置所生活です。その期間約4か月。かなり長いですね。その後ようやく判決が出たのですが、なんと執行猶予なしの懲役15か月!!

両親も親戚一同も驚きを隠せない様子。
両親は毎日のようにお弁当を届けに行ったのですが、そのお弁当は同じ雑居房にいるボスキャラにいつも取られていたそうです。

拘置期間含めて計19か月を経てようやくシャバの空気を吸うことができたボウ君。
もうホテルの仕事はこりごりと、現在は家電の修理会社で働いています。ちなみに、主犯のタオさんはまだ刑務所のようです。

後日談として

噂のボウ君が家に帰ってきたとあって、実家には親戚一同が集まっていました。
そして清々しい表情のボウ君を見て、一同が口をそろえてこう言いました。

「前よりも健康になったみたいね……」

ベトナムのコムタム生活よりも、刑務所暮らしの方が健康体になるみたいです(終)